大統領選挙とFOMC揺れる米ドル:今後の注目ポイントと為替市場への影響

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概要

米ドルに関するポイント

  • 火曜日の選挙と木曜日のFOMC(米連邦公開市場委員会)の発表があり、今週は注目を集めました。米ドルは2023年と2024年の高値に基づくトレンドラインを試しましたが、その後の反発でFOMCの利率決定後に力強さを見せました。
  • 来週、FOMCメンバーが発言の制限期間から解放されるため、再びコメントが市場に影響を及ぼす可能性があります。さらに、水曜日に米国の消費者物価指数(CPI)、木曜日に生産者物価指数(PPI)、金曜日に小売売上高と、FXトレーダーにとって重要な経済指標が発表されます。
  • 今週の市場は選挙とFOMCの影響で活発であり、10年国債利回りは週初めに4.34%の重要な水準を試しました。これは2022年の最高水準であり、利回りの上昇とともに株式市場は売り圧力を受けましたが、10年利回りが下落すると市場は安心感を取り戻しました。

大統領選挙後の一時的なドル高、今後のドル高の行方は不透明

トランプ氏の再選が市場に好影響、株価上昇と円安進行

米大統領選で民主党のハリス候補が敗北を認め、共和党のトランプ氏が再選を果たしました。このニュースが東京市場に影響し、11月6日には円安が進むとともに株価も急上昇しました。米国市場でも、トランプ氏が提唱する減税や規制緩和への期待が広がり、ダウ平均株価は終値で1,500ドル以上の大幅上昇を見せました。

また、トランプ氏がスムーズに政権を引き継ぐことにより、2020年の選挙時のような政権移行の混乱や暴動リスクが軽減したとの見方も、市場に安心感を与えたと考えられます。

さらに、今回の大統領選挙と同日に行われた議会選挙の結果にも市場は注目しています。現時点で上院は共和党が過半数を確保し、下院でも共和党が過半数に近づいています。トランプ氏の政策実行がよりスムーズになり、さらなる株高への期待が高まるでしょう。

一方で、トランプ氏の勝利が必ずしもドル高を生むわけではないとの見方もあります。トランプ氏が掲げる追加関税政策が短期的な物価上昇につながる一方、長期的には経済への悪影響やFRBの金融緩和を促す要因ともなりかねないためです。また、トランプ氏がFRBへの政治介入や利下げを求める可能性もあり、これがドル安につながるリスクも指摘されています。

FOMC後の短期的な米ドルの反応

FRBが声明から「利下げの可能性」に関する文言を削除したため、米ドルは一時的に強く反応しました。パウエル議長はインフレへの対応を続けるとしつつも、将来の方針について具体的な言及を避けました。

USD/JPY

USD/JPYは現在、152.55付近の長期的な上昇トレンドラインまで引き戻され、サポートを試しています。調整が入っているものの、短期および中期では依然として上昇トレンドが続いており、テクニカル分析の「トレンドはあなたの友人」という言葉の通り、今後も上昇を維持する可能性が高いです。

注目すべきポイント

• もし11月7日の高値である154.71を突破すれば、上昇トレンドが再開され、次の目標は155.24(7月30日の高値)となります。それを超えると、さらに強気のシグナルとなり、157.86(7月19日の高値)に向けて上昇する可能性があります。

• 逆に、トレンドラインを割り込んで151.29を下回ると、短期的に下落に転じる可能性が出てきます。この場合、150.15付近にある100日間の移動平均線(SMA)が次のサポートレベルとなります。

以上のように、上昇と下落のシナリオにそれぞれ注目しながらトレンドを追っていくことが重要です。

EUR/USD

米ドルの強さが続く場合、EUR/USDは弱含む可能性があります。選挙後の反発が1.0700からの上昇で始まり、1.0825で反落しましたが、これが持続的な下落トレンドを示唆するかが注目されます。

USD/CAD

USD/CADは過去数週間、米ドルの弱さが続くシナリオでフォローされてきましたが、もし米ドルが反転すれば、米ドルの強さに押されてUSD/CADが上昇する可能性もあります。

今後の見通し

来週も米ドルの強気トレンドが続く可能性が高く、ドルインデックス(DXY)では複数の通貨が影響します。水曜日にはCPI、木曜日にはPPI、金曜日には小売売上高が発表されるため、インフレ指標や消費者動向が引き続き注目されます。

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