ユーロドルは反転上昇しました。フランスの経済指標が振るわず、一時1.0771ドルまで下落していましたが、10月のドイツ製造業とサービス業のPMI速報値が予想を上回る結果となり、1.0796ドルまで回復しました。
概要
• ユーロ圏の総合PMIは、縮小が緩やかになると見込まれています。
• 欧州中央銀行（ECB）は、今後も金利を引き下げるとの予測が続いています。
• EUR/USDは1ヶ月前まで1.12付近で取引されていましたが現在は1.08を下回る水準で推移しています。
「米ドル上昇も高止まり、ECBとFRBの金利政策が焦点に」
EUR/USDは上昇中ですが、米ドルが利益確定の影響で3日間の米ドル上昇を一時停止しました。それでも、米ドルは主要通貨に対して3か月ぶりの高値付近でしっかりとサポートされています。
ユーロは、PMIデータの発表を前に安定しており、10月の事業活動がさらに緩やかに縮小する見込みです。複合PMIは9月の49.6からわずかに改善し、49.8に上昇すると予想されていますが、依然として成長の見通しは懸念材料です。ECBは、この経済縮小に対応するため、引き続き金利を下げる必要に迫られています。
10月23日ECBのラガルド総裁は、さらなる金利引き下げを慎重に検討する必要があると発言しました。ラガルド総裁は週初めに、インフレが予想より早く目標を下回る可能性が高いと述べ、追加の利下げが視野に入っていることを示唆しました。一部のECBメンバーは、経済刺激のために金利をさらに引き下げる可能性を検討しています。
一方、米ドルは利益確定で一時的に弱まっていますが、FRBが緩やかな利下げを進める期待や、米国の好調な経済データによって支えられ、高値圏を維持しています。米国のPMIデータも10月24日発表予定で、サービスPMIは堅調な55を示し、製造業PMIは10月に縮小する見通しです。
米国の10年債利回りが4.19％台に下がったことでドルが弱まる中、EUR/GBPでのユーロ買いも加わり、EUR/USDは1.0808ドル付近まで再び上昇し、日中の高値を更新しました。一方、EUR/JPYはUSD/JPYの下落に引きずられて164.10円台まで再び弱含んでいます。ドルインデックスも104.15付近に下がっています。
「EUR/USD、サポートで攻防：売り圧力と買い手のターゲット1.09」
EUR/USDは1.12から反発しましたが、いくつかの重要なサポートレベルを下回りました。現在、1.0770で上昇トレンドラインのサポートをテスト中です。RSIは売られ過ぎを示しているため、売り手は注意が必要です。
トレンドラインを下抜けして、1.07の節目を目指そうとしています。一方、買い手は1.08を超えることを目標に200日移動平均線の1.0870をターゲットにしています。これを突破すれば、1.09に向けてさらに上昇する可能性があります。
まとめ
EUR/USDは1.12から反発後、いくつかの主要サポートを割り込み、1.0770で上昇トレンドラインのサポートをテスト中です。RSIが売られ過ぎを示しているため、売り手は慎重になる一方、ベア派は1.07を目指してトレンドラインの突破を狙っています。買い手は1.08を超えて200日移動平均線の1.0870を目標とし、突破すれば1.09までのさらなる上昇を期待しています。EUR/USDは米10年債利回りの低下やユーロ買いの影響で1.0808ドル付近まで再上昇。一方、EUR/JPYはUSD/JPYの下落により164.10円台に下落しました。ドルインデックスも104.15付近まで下がっています。 ECBとFRBの金利政策が市場の注目を集める中、米ドルは米国の好調なデータや安全資産需要に支えられ、高値圏を維持しています。
