
相場は今「嵐の前の静けさ」
本日(7月30日)の為替相場は、アメリカと日本の中央銀行イベントを目前に控え、様子見ムードが広がる展開です。米ドル/円(USD/JPY)は148円台前半での揉み合いが続き、ユーロ/ドル(EUR/USD)はややドル高方向に圧力がかかる構図となっています。
注目イベント1:FOMCの声明とパウエル議長の発言
米連邦準備制度理事会(FRB)は今夜、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を発表します。市場の大方の予想は政策金利の据え置きですが、注目はむしろその先にあります。
◾ どこがポイント?
- インフレの鈍化が続く中、年内の利下げの可能性に言及があるか
- パウエル議長のトーンがハト派(利下げ容認)寄りになるか
- 最近の経済指標が堅調な中、景気過熱リスクをどう評価するか
このFOMCの結果いかんでは、ドル円が149円を超えるか、反転して147円台へ戻すかの分岐点となる可能性があります。
注目イベント2:日銀の政策発表(明日)
翌31日には、日本銀行の金融政策決定会合が予定されています。今回は利上げはないとの見方が大半ですが、注目はフォワードガイダンス(今後の金利方針)です。
◾ 日銀の注目点
- 円安に対する政府・日銀のスタンス
- 「秋以降の利上げ」示唆があるか
- 物価見通しの修正が行われるか
万が一、利上げへの言及や為替介入に対する強い姿勢が示されれば、ドル円は急反落もあり得ます。
テクニカル的な視点:ドル円は「上値重い」が…
現在のドル円相場は、148.50円付近にレジスタンス(抵抗線)があり、それ以上は重い展開。一方で147.60円を明確に割ると下落トレンドへの転換サインになる可能性があります。
トレーダーの間では「FOMCでドルが買われて一気に149円台を突破するか、それとも材料出尽くしで売られるか」の二択相場が意識されています。
🌍 その他の注目材料:米欧通商合意と地政学リスク
- 米国とEUが新たに15%の相互関税で合意。これは欧州側にとってはドル高圧力となり、ユーロ売りが進みやすい状況です。
- 世界的な地政学リスク(中東、ウクライナ、アジア)も依然としてドルの「安全通貨」需要を支えています。
解説と見解:今夜は「動かない」のが最大のリスク
今夜の相場で最も注意すべきは、「方向感が出ないまま材料出尽くしで流動性が低下」するパターンです。FOMC直後は急変動が起きやすく、スプレッド拡大や誤発注リスクもあるため、慎重なポジション管理が必要です。
また、個人トレーダーとしては、ポジションをFOMC前に一度クローズする、もしくはロットを小さくして対応するのが賢明といえます。
まとめ:今夜のキーワードは「耐える」
今夜は、「急変に巻き込まれないための準備」が最大の戦略です。指標や発表内容そのものよりも、「市場がどう反応するか」を重視して見ていきましょう。