FXにおける追証の仕組みと払えない場合

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追証とは

追証の定義と基本的な仕組み

追証(おいしょう)とは、FX取引において口座の証拠金が一定の基準を下回った際に、追加の証拠金を求められることを指します。FX取引では、レバレッジを利用して、自己資金以上の金額で取引を行うことができるため、相場が予想と逆に動いた場合、損失が拡大することがあります。この時、口座の証拠金が不足すると、証券会社から「追証」を請求され、追加の資金を預け入れなければなりません。

追証は主に、取引を継続するために証拠金維持率を一定の水準に保つ役割を果たします。多くの証券会社では、証拠金維持率が100%を下回ると追証が発生し、取引の安全性を確保するために追加の資金を入金するよう促されます。追証を支払わずに放置すると、強制的にポジションが決済されることもあります。

FXにおける追証の役割と重要性

FX取引における追証の役割は、取引者と証券会社双方のリスクを最小限に抑えることにあります。FXはレバレッジを効かせた取引が特徴であり、小さな価格変動でも大きな利益を得られる反面、大きな損失を被るリスクも抱えています。追証制度は、取引者が損失を抱えた際に証拠金を追加で入金することで、証券会社が取引者の損失をカバーし、さらに大きなリスクを回避する仕組みです。

追証は、取引者が口座残高以上の損失を抱えるリスクを防ぐためにも重要です。証拠金不足のまま取引を続けると、損失が膨らみ続け、最終的には借金を抱える可能性があります。追証が発生することで、取引者は自分の資産を守るために資金管理を見直す機会を得ることができ、過剰なリスクを回避する手助けとなります。

しかし、追証は取引者にとってプレッシャーとなることも少なくありません。急激な相場変動時には、予期せぬ大きな追証が発生することがあり、資金を準備できない場合にはポジションを強制的に清算され、大きな損失を確定させることになります。このため、FX取引を行う際には、追証を発生させないようなリスク管理が非常に重要です。

追証制度を理解し、適切なリスク管理を行うことで、FX取引における安全性を高めることができます。特にレバレッジを効かせた取引では、追証のリスクをしっかりと認識し、相場の動きに迅速に対応できるような資金管理が求められます。

追証が発生する理由

ロスカットルールとの違い

追証とロスカットはどちらも証拠金不足を防ぐための制度ですが、仕組みには大きな違いがあります。追証は、口座の証拠金が証券会社の定める維持率を下回った時に、取引を継続するために追加の証拠金を要求される制度です。一方、ロスカットルールは、証拠金維持率がさらに下がり、証券会社がリスクを回避するために強制的にポジションを決済することを指します。

追証は、証拠金を追加で入金すれば取引を続けることが可能ですが、ロスカットは証拠金を追加する時間がない、あるいは追証が支払われない場合に発動されます。このため、ロスカットは証拠金不足が深刻な状況で自動的に発動し、ポジションが強制決済されることで、さらなる損失拡大を防ぐ役割を果たします。

レバレッジの使用とリスク

レバレッジは、少ない資金で大きな取引を行うことを可能にするFXの特徴的な仕組みです。たとえば、レバレッジが10倍であれば、口座に10万円しかなくても100万円分の取引を行うことができます。これにより、少額の資金でも大きな利益を狙うことができますが、逆に損失も同じように拡大するリスクがあります。

レバレッジを高く設定している場合、相場が少しでも逆方向に動けば、証拠金の減少が速く進み、追証が発生しやすくなります。たとえば、レバレッジが1倍であれば、証拠金が100万円の損失をカバーするのに十分であっても、レバレッジが10倍だと、同じ資金での損失が10倍に膨れ上がります。レバレッジの過度な使用は、追証のリスクを大幅に高めるため、慎重に設定することが重要です。

価格変動が大きい時に追証が発生しやすい状況

相場が大きく動いた時、特にボラティリティ(価格変動)が高い時には、追証が発生しやすくなります。例えば、重要な経済指標の発表や地政学的リスクの影響で市場が大きく動く場合、短時間での急激な価格変動が起こり、証拠金維持率が急速に下がることがあります。

特に、相場が急激に動いた場合には、追証が発生するまでの時間が非常に短く、追証を入金する余裕がないままロスカットが発動することも少なくありません。ギャップ(窓開け)など、相場が飛び値で動いた時には、予期せぬ損失が発生し、その結果として追証が発生しやすくなります。

また、マーケットが不安定な時には、追証を回避するためにポジションを小さくしたり、レバレッジを下げたりすることが推奨されます。市場が大きく変動するリスクを常に考慮し、事前にリスク管理を徹底することが、追証を避けるための最も有効な対策です。

追証は、レバレッジ取引と相場変動の影響を受けて発生します。取引者は追証が発生する理由を理解し、適切なリスク管理を行うことで、突然の資金要求に対応できるよう準備を整えることが重要です。

追証の計算方法

追証の計算例

追証は、取引を行うために必要な「証拠金維持率」が基準値を下回ったときに発生します。証拠金維持率とは、ポジションを維持するために口座にある証拠金の割合を指し、以下の式で求められます。

証拠金維持率(%)=(口座残高 ÷ 必要証拠金)× 100

証拠金維持率が一定の基準(例:100%)を下回ると、追加の証拠金が必要になります。これが追証です。

追証の計算方法

追証の金額を計算するには、まず現在の証拠金維持率を確認し、それが基準値を下回っているかどうかを確認します。その後、不足している証拠金額を計算し、これが追証として要求される金額になります。

計算手順は以下の通りです。

1.  口座残高の確認:現在の口座に残っている証拠金の額を確認します。
2.  必要証拠金の確認:現在のポジションに対して必要な証拠金を確認します。
3.  証拠金維持率の計算:証拠金維持率を計算します。
4.  不足額の計算:証拠金維持率が基準値を下回っている場合、不足している証拠金を計算します。

追証の計算例

例えば、以下のようなケースを考えてみましょう。

•   口座残高:10万円
•   必要証拠金:15万円
•   証拠金維持率基準値:100%

1. 証拠金維持率の計算

証拠金維持率は、口座残高 ÷ 必要証拠金 × 100 で求められます。

証拠金維持率 = 10万円÷15万円×100 = 66.67%

この場合、証拠金維持率は66.67%です。基準値である100%を下回っています。


2. 不足額の計算
追証が必要な額は、基準値までの不足分です。今回は基準値が100%なので、必要証拠金15万円に対して証拠金が10万円しかありません。不足分は5万円です。
つまり、投資家は5万円の追証を入金する必要があります。

証拠金維持率や余裕資金との関係

FX取引や株式の信用取引では、証拠金を元手にレバレッジをかけて大きな取引を行います。この時、トレーダーにとって重要な指標の一つが「証拠金維持率」です。同時に、証拠金維持率を安定して高く保つために必要なものが「余裕資金」です。

証拠金維持率は、相場の変動やポジションの大きさにより常に変動します。このため、証拠金維持率を安定して高く保つには、余裕資金をしっかり確保しておくことが重要です。ここで両者の関係について考えてみましょう。

•   証拠金維持率が低い場合:証拠金維持率が100%を下回ると、追証が発生し、口座に追加の入金をしないと強制決済されるリスクがあります。この際、余裕資金が少ないとすぐに追証を要求され、ポジションを強制的に閉じざるを得なくなります。
•   余裕資金が十分にある場合:余裕資金が多ければ、証拠金維持率が一時的に低下しても耐えられ、追証を避けることができます。さらに、ポジションを維持しつつ、相場の回復を待つことができるため、より柔軟なトレード戦略を取ることが可能です。

以下は、証拠金維持率と余裕資金の関係を具体例で示したものです。

ケース1:余裕資金が少ない場合

•   口座残高:30万円
•   必要証拠金:20万円
•   証拠金維持率:150%

この場合、相場が逆行して必要証拠金が30万円に増加すると、証拠金維持率は100%になります。さらに相場が下落すると、追証が発生し、追加で証拠金を入金しなければポジションが強制決済されるリスクがあります。

ケース2:余裕資金が十分にある場合

•   口座残高:100万円
•   必要証拠金:20万円
•   証拠金維持率:500%

この場合、証拠金維持率は非常に高く、相場が大きく逆行しても追証を回避しやすくなります。仮に必要証拠金が40万円に増加しても、証拠金維持率は250%です。まだ大きな余裕があるため、追証の心配はほとんどありません。

追証を回避する方法

海外FXのゼロカットシステム口座を使う

海外FX業者の多くが採用している「ゼロカットシステム」は、追証を回避するための仕組みです。簡単に言うと、相場の急変動で口座残高がマイナスになった場合でも、トレーダーが追加で支払う必要がなく、損失は口座残高までに限定されるというものです。この仕組みにより、トレーダーは借金を背負うリスクはなくなります。

ゼロカットシステムを採用することで、口座残高以上のリスクを負わないため、トレーダーは資金管理がしやすくなります。例えば、市場の急激な変動で価格が大きく乖離した場合でも、損失は口座の範囲内で収まります。

追証が発生しないという安心感は、トレーダーにとって非常に大きなメリットです。精神的な安心感は冷静な判断ができるようになり、無理なトレードを避けることができます。特にFX初心者にとって、ゼロカットシステムは大きな魅力です。資金が限られている場合でも、大きな借金を負うリスクを避けながらトレードを行えるため、安心してFX取引をスタートすることができます。

尚、当サイト(海外FXガイド)に掲載されている海外FX業者は全てゼロカットシステムを採用しています。

国内FXを使うならレバレッジを控えめにする

国内FXを使い、レバレッジをかける場合はどうしても追証のリスクが付き纏います。それでもレバレッジを低く設定すれば、取引量も抑えられるため、相場が急激に動いた場合でも、損失が膨らむ可能性を最小限に抑えることができます。これにより、追証のリスクを大幅に軽減できます。

また、一度に大きなポジションを取るのではなく、複数のポジションに分散することで、リスクを分散させることが可能です。これにより、ひとつの取引で大きな損失を被るリスクを減らし、追証を回避しやすくなります。

損切り注文を入れるなどリスク管理をする

損切り注文(ストップロス注文)は、あらかじめ設定した価格に達した際に自動的にポジションを決済し、損失を最小限に抑えるための注文方法です。これにより、相場が予想に反して急激に動いた場合でも、損失が拡大する前にトレードを終了させることが可能です。損切り注文は、FX取引における追証リスクを回避するために非常に重要なツールとなります。

損切り注文を設定せずに取引を行うと、相場が逆行した際に損失がどんどん膨らみ、最終的に追証が発生するリスクが高まります。また、感情に流されて損失を抱えたままポジションを保持し続けることになりかねません。これを避けるためにも、損切り注文を常に設定することは、トレーダーにとって不可欠です。

損切り注文は、FX取引において追証リスクを回避し、資金を守るための最も効果的な手段の一つです。事前に損失を限定することで、感情に流されることなく、冷静に取引を続けることができます。特に初心者から経験豊富なトレーダーまで、損切り注文の重要性を理解し、適切に活用することで、長期的に安定した取引を行うことが可能です。損切り注文を取り入れて、安全かつ効果的なFXトレードを実現しましょう。

証拠金を十分に用意する

証拠金を十分に確保しておけば、相場が一時的に逆行した場合でも、証拠金維持率が低下することなく取引を続けられます。これにより、追証が発生するリスクを未然に防ぐことができます。

証拠金が不足していると、価格が少し動くだけで不安になり、冷静な判断ができなくなることがあります。十分な証拠金があれば、多少の相場の変動にも対応でき、長期的な視点でトレードを進めることが可能です。

海外FXならゼロカットシステムにより追証が発生するリスクがない

国内のFX業者では、追証制度が採用されています。この制度では、トレーダーが保有するポジションの評価損が証拠金を上回ると、追加の証拠金を入金する必要があり、場合によっては口座残高がマイナスになった分まで負担しなければなりません。そのため、大きな損失が出るリスクが高く、資金管理が非常に重要になります。

一方で、海外FX業者のゼロカットシステムでは、どんなに相場が急変してもマイナス残高を負担することはありません。これは、予期せぬリスクを軽減し、より安心して取引を行うことができる大きなメリットです。

当サイト(海外FXガイド)に掲載されている海外FX業者は全てゼロカットシステムを採用しています。

ここでは代表的な2社を紹介する記事を掲載します。

追証が発生した場合の対応

証拠金を追加する方法

証拠金維持率が基準値を下回ると、FX会社から追証の通知が届きます。この通知には、追加で必要な証拠金の金額や、追加しなかった場合のリスク(強制ロスカットなど)が記載されていることが一般的です。

追証が発生した際、指定された期日までに追加の証拠金を口座に入金する必要があります。これを怠ると、FX会社によってポジションが強制的に決済され、さらに損失が拡大する可能性があります。

もっとも一般的な証拠金の追加方法は、銀行振込です。FX会社が指定する銀行口座に、追証額を振り込みます。通常、追証発生の通知には、振込先の口座情報や入金期限が記載されています。入金を迅速に行うことで、ポジションの強制決済を回避することができます。

ロスカットされる前にポジションを調整する

追証が発生した場合、保有しているポジションの一部を決済することで、証拠金維持率を改善し、ロスカットのリスクを下げることができます。たとえば、トレーダーが複数のポジションを持っている場合、評価損が大きいポジションや、利益が確定できるポジションを部分的に決済することで、証拠金を確保しやすくなります。

大きすぎるポジションを持つことは、追証やロスカットのリスクを高めます。ポジションを調整する際には、取引サイズを縮小することが有効です。これにより、相場が逆行した場合でも証拠金維持率が急激に低下するリスクを減らすことができます。

追証が払えない場合

放置した際のリスク

(1) 強制ロスカット

追証を入金できなければ、一定の証拠金維持率を下回った時点で、FX業者によって強制的にポジションが決済されます。この強制ロスカットにより、大きな損失が確定することになり、さらに口座残高がマイナスになる可能性もあります。

(2) 借金の発生

追証を支払えないままロスカットが行われても、マイナスになった口座残高分をFX業者から請求されることがあります。この場合、借金として追証を支払わなければならず、資金的な負担が一気に増す可能性があります。

(3) 信用情報への影響

追証を支払わないままにしておくと、場合によっては債務不履行とみなされ、信用情報に悪影響を及ぼす可能性もあります。これが続くと、金融機関からの融資やクレジットカードの利用が制限される可能性もあります。

追証が支払えない場合に取れる対策

追証を支払えない状況に陥った場合、放置するのではなく、まずFX業者に連絡を取ることが重要です。業者によっては、柔軟な対応をしてくれる場合もあります。支払いの延期や、分割払いなどを相談することで、一時的な解決策が見つかることがあります。

最悪のケース:法的処置や破産

追証が支払えないまま放置すると、最終的には法的措置に発展する可能性があります。FX業者から請求を受け、無視を続けると、裁判に至ることも考えられます。

最悪のケースとして、追証の金額が大きく、返済の見込みが立たない場合、自己破産を検討することもあります。ただし、破産を申請すると、信用情報に大きな影響が出るため、あくまで最終手段として考えるべきです。

まとめ

追証(追加証拠金)とは、FX取引において相場が逆行し、保有しているポジションの評価損が証拠金を上回った場合に、FX業者から追加の証拠金を求められることを指します。証拠金維持率が一定以下になると、追証が発生し、さらに追証を支払えない場合は強制ロスカットが行われます。

国内FX業者では追証制度が採用されている一方、海外FX業者の多くは「ゼロカットシステム」によって追証を免除しており、残高がマイナスになっても追証の支払い義務が発生しません。

追証のリスクを完全に排除する方法として、海外FX業者の「ゼロカットシステム」を活用することが挙げられます。ゼロカットシステムとは、口座残高がマイナスになっても、そのマイナス分をトレーダーが負担しなくてよい仕組みです。

ゼロカットシステムのメリット

  • 追証を負う心配がない:大きな損失が発生しても、追加の証拠金を入金する必要がなく、マイナス残高をリセットしてくれます。
  • 高レバレッジ取引が可能:ゼロカットにより、リスクを抑えつつ高レバレッジ取引を利用することができます。

追証はFX取引における大きなリスクですが、適切なリスク管理を行うことでそのリスクを最小限に抑えることが可能です。国内FXで追証のリスクを最小限に抑えるためには、レバレッジを控えめにし、損切り注文を設定し、十分な証拠金を用意するなどの対策が重要です。また、海外FXのゼロカットシステムを活用すれば、追証を完全に回避することができ、より安心して取引を行うことができます。

追証に直面した場合でも、迅速な対処と適切なリスク管理を徹底することで、損失を最小限に抑え、安全な取引を心がけましょう。

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